客先常駐は疲弊する。若いうちは技術を磨くには良い。

客先常駐は疲弊する。若いうちは技術を磨くには良い。

客先常駐という働き方は、多くのITエンジニアが経験する形態の一つです。企業がクライアント企業のオフィスに技術者を派遣し、その場で業務を行うこのスタイルは、一見するとさまざまなメリットがあるように見えます。しかし、その実態は多くの課題を抱えており、長期間続けると疲弊を招くことが少なくありません。本記事では、客先常駐の現状と若いうちにそれを経験する意義、さらにキャリアアップに向けた次のステップについて解説します。

客先常駐が疲弊を招く理由

客先常駐の最大の特徴は、クライアント企業の文化やルールに従って働かなければならない点です。自社ではなくクライアントのオフィスで仕事をするため、以下のようなストレス要因が発生しやすくなります。

  1. 孤立感 派遣先ではクライアントの社員との関係構築が求められますが、外部の人間として扱われることが多く、チームに溶け込むのが難しい場合があります。また、自社の同僚との交流が減るため、孤立感を覚えることもあります。
    私は最初のうちは特に孤立感を感じることはなかったのですが、何年も派遣エンジニアを続けていると、あるときふと孤立感を感じるようになり、それが常態化してしまいました。
    私は派遣SEとして10社以上に常駐しているため、もちろんそれは派遣先の社風やプロジェクトにいつ人の人間性にもよるところもあり、運の要素も大きいです。
  2. 責任の不明確さ クライアントの指示で動く一方で、自社の報告義務もあるため、業務上の責任が曖昧になることがあります。この二重構造が、ストレスを増大させる原因となります。
  3. 長時間労働 クライアントのプロジェクトがタイトなスケジュールで進行している場合、長時間労働を余儀なくされることがあります。特に、多重請負構造の中で働くエンジニアは、負担が集中しやすいです。
    私は案件によっては人間扱いされていないのではと感じることもありました。

若いうちは技術を磨くには良い

客先常駐には多くの課題がある一方で、若手エンジニアにとっては技術を磨く良い機会でもあります。さまざまな現場で働くことで、多種多様なプロジェクトや技術に触れることができるため、次のようなメリットがあります。

  1. 実践的なスキルの習得 クライアント企業のシステムやツールに直接触れる機会が多く、教科書では学べない実践的なスキルを習得できます。私は個人的に現場で頑張って得た知識やスキルを誇りに感じています。
  2. 課題解決能力の向上 異なる業界やプロジェクトごとに特有の課題が存在するため、それらを乗り越える中で課題解決能力が磨かれます。私は課題をつきつけられてか解決してきたという経験が、今でも役立っていると感じています。
  3. ビジネスマナーの習得 クライアントとのコミュニケーションを通じて、ビジネスマナーやプロフェッショナルとしての姿勢を身に付けることができます。私は10年以上客先常駐とさまざまな企業を転々とし、JavaやPHPなどのスキルを磨いてきました。本音を言えばPythonなど現代のプログラミング言語をやりたかったなという思いはあります。独学での勉強と実践で学ぶことは、己れの血肉に染み込むという点でやはり違うと私は思います。

将来的にはIT以外のスキルも必要

客先常駐で得られるスキルは重要ですが、それだけでは長期的なキャリア形成には不十分な場合があります。特にIT業界は変化が激しく、エンジニアとしての寿命が短いと言われることもあります。そのため、以下のようなIT以外のスキルを磨くことが重要です。

  1. 外国語スキル グローバル化が進む中で、英語やその他の外国語を習得することは、キャリアの選択肢を大きく広げます。多国籍企業や海外プロジェクトに参加する際の強力な武器となります。
  2. 会計や経営の知識 ビジネス全体を理解するためには、会計や経営に関する基本的な知識が欠かせません。これらを学ぶことで、技術者から管理職や経営層へのステップアップが可能になります。私はSEから事業会社に転職した後、総務部に属したことがあり、その際に会計の知識がすごく役立ちました。
  3. コミュニケーション能力 技術的なスキルだけでなく、プレゼンテーション能力や交渉力など、対人スキルを高めることも重要です。これにより、プロジェクトリーダーやコンサルタントとしてのキャリアも視野に入ります。

キャリアアップのための具体的な行動

客先常駐から次のステップに進むためには、以下のような行動が役立ちます:

  1. 資格取得 PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)やTOEIC、簿記などの資格取得は、専門性を証明する手段となります。
  2. ネットワークの拡大 異業種交流会やオンラインコミュニティに参加し、多様な人々とつながることで新たな機会を得られます。
  3. 自己投資 オンライン講座や書籍を活用して、継続的に学び続ける姿勢が重要です。

結論

客先常駐は確かに疲弊する側面がありますが、若いうちに技術を磨く場としては有用です。しかし、長期的なキャリアを考えるなら、IT以外のスキルを身に付け、将来の選択肢を広げる努力が不可欠です。外国語や会計知識、コミュニケーション能力を高めることで、エンジニアとしての枠を超えたキャリアアップが可能になります。今後の働き方を見据えて、自分のスキルをどう伸ばすかを計画的に考えていきましょう。

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